合渡橋を岐阜市側から渡った閑静な住宅街。国道157号線、穂積中学校前の交差点を東に下ったところにある『Climbing gym BUBU 岐阜西店』。
クライミングウオールに取り付けられた多種多様なホールドが、初級者から上級者まで楽しめる「読み応えのある」多彩なコースとして来る人の心を弾ませている。
2015年開業の店内は、邦楽が心地よく流れる明るい空間。年月を経てなお丁寧に手入れされたマットやウォールからは、この場所を大切にしてきたスタッフと利用者の息遣いが伝わってくる。
そんなBUBU西岐阜店のスタッフ石井さんに、クライミングの楽しさやBUBUが創業当時から大切にしている「楽しんで続ける人を育てたい」という想いについて詳しく伺った。
基本情報はクリック!
お問い合わせの際は「つたギフ見ました」と言っていただけると、話がスムーズです。
| 名称 | Climbing gym BUBU 岐阜西店 |
|---|---|
| 所在地 | 瑞穂市生津天王町1-99-2 |
| 連絡先 | 0583-72-2680 |
| 営業時間 | 平日/17:00-23:00 土・日・祝/10:00-19:00 |
| 休業日 | 年中無休 |
| 支店 | Climbing gym BUBU 岐阜店(岐阜市柳津町丸野1‐41) ボルタリングパークBu-Rock(モレラ内) |
| 公式サイト | https://climbinggymbubu.com/ |
クライミングの楽しさは何ですか?

登れた時の達成感ですね。ゴールの喜びというよりは、頭と体をフルに使って“パズルが解けた”という感動です。ボルダリングは、決められたホールドだけを使って登る「思考するスポーツ」なんです。
「課題」といわれるコースには設計者の意図があって、 右手で持つものを左手で持つと、どうにもならなくなるように作られている、その正解を「考えて登る」スポーツなんです。
ある程度のレベルまでは力をづくでなんとか登れるんですが、パズルが複雑になると力ではどうしようもなくなる。すごい力自慢な彼と、 ひょろひょろな彼女が来たら、彼女の方が登れてしまうこともあるんですよ。
また、うちのようなジムに来てくれれば仲間ができます。筋肉の付き方や身長、腕の長さは人によって違い、10人いれば10通りの登り方がある。「ここは右?左?」「そこ持てる?」と、仲間とワイワイやりながら「あーでもない、こーでもない」って、いろんな話をするのが、また楽しいんです。
クライミングをするメリットって何でしょう?
クライミングの最大の魅力は、無理なく・健康的に体を鍛えながら、人との関わりを自然に増やせることです。全身を使う運動ですが、いわゆるゴリゴリの筋トレとは違い、しなやかでバランスの取れた細マッチョ体型が作れるのが魅力ですね。
また、スマホやSNSで時間を潰す習慣の代わりに、体を動かしながら人と会話し、課題を“攻略”していくリアルなコミュニケーションの楽しさが味わえます。
どんな方が通っていますか?

最初は「ジムでちょっとやってみたい」と、気軽に始める方がほとんどです。東京オリンピックでクライミングが種目入りした頃から、施設も増え「ボルダリング流行ってるし一度挑戦してみようかな」という方が増えました。他には、僕みたいに山登りをきっかけにクライミングをはじめる方もいらっしゃいます。
年齢層としては 30〜40代が多いです。若い世代は仕事やライフイベントで離れることも多く、落ち着いて自分の時間を楽しみたい大人世代の方が、長く続けやすい印象があります。
BUBUではレベルを競うより「長く楽しく続ける」ことを大切にしているため、初心者からベテランまで、さまざまな人にご利用いただいています。
岐阜はクライミング人口が多いそうですね

岐阜は、美濃市の瓢ヶ岳〈ふくべがたけ〉や恵那など、有名な岩場が身近に点在しているエリアです。関西や中部からもクライマーが遠征してくるほどで、「一度は登ってみたい」と言われる岩場が多く存在する土地なんです。
岩場には独自のローカルルールやマナーがあって、個人で適当に岩を見つけて登れるわけではありません。「トポ」と呼ばれる、岩の場所や課題のルートを示す地図に従って登る必要があります。そのため、岩場に行くには、スタッフやジムでつながった経験者に連れて行ってもらうのが基本です。
BUBUが選ばれる理由は?

力まかせな登り方は、すぐに限界が来ます。クライミングに必要なムーブと呼ばれる体の使い方を、学びながら練習できるのがBUBUです。みなさん驚かれるんですが、足の踵ひとつとってもいろんな使い方があるんですよ。
BUBUはもともと閉鎖的だったクライミングジムの空気を変える、敷居を下げたジムの走りとしてスタートしました。初めての人でも入りやすく続けやすい環境づくりを大切にしつつ、経験者がしっかり楽しめる課題を用意した、バランス型のジムです。
スタッフには「入りたての人には特に積極的に声をかける」ように指導しています。初めはウォールの前に立つだけで、緊張しますからね。ワクワクしながら挑戦できる環境づくりと、既存のお客さんとの居心地のいい関係作りをスタッフ主導で、全店で行っています。
もう一つの大きな特徴は「岩登り」寄りのクライミングができる点です。オリンピックをきっかけに見栄えのする大きなホールドを使って、ダイナミックな動きをする「スポーツクライミング」寄りのジムが一気に増えました。
BUBUは少し方向性が異なり「岩登りにつながる」技術や感覚を大切にするジムです。ある程度登れるようになると、スタッフや常連と「岩に行ってみようか」という流れが自然に生まれます。ジム内だけで終わらず、岐阜ならではの本物の岩登りまで体験できます。
子どもや女性は楽しめますか?

クライミングで必要なのは力ではなく、「どのように登るのか」を瞬時に見極める「オブザベーション能力」です。ですから、女性で楽しんでいる方はたくさんいらっしゃいます。
BUBUでは、キッズスクールもご用意しています。モレラ店や岐阜店(カラフルタウン近く)では、年長から参加可能です。登りながらシールをはがしたり、ジャンプして垂直飛びをしたり、遊びながら登る動きを学びます。スクール生になると他店舗も自由に行き来できる特典があり、多くの方にご利用いただいています。
オリンピックを目指しやすいスポーツでもありますね。実際、うちのジムでボルダリングの楽しさを知って、ジュニアユースとして活躍している子もいるんですよ。
モレラとかで触ってみて楽しいからもっとやりたい、と入会される方が多いです。全身と頭を使う習い事のひとつとして、子どもにやらせてみる親御様もいらっしゃいます。
大変だったことはありますか?

オリンピック種目に決まって、初心者さんが一気に増えた時期ですね。岩場にスタッフが付き添えなくて、「初心者が初心者を連れて行ってしまう」ことがありました。後から「BUBUのお客さんマナー悪かったよ」なんて聞いて…。
岩場のローカルルールは法律みたいに絶対ではないんですが、今まで岩場を使ってきた人たちで作った、だれもが気持ちよく使うためのルールなんです。新しい人に理解してもらいながら伝えていくことは本当に大変でした。
ただ、人が増えてジムが盛り上がっていくのはすごく楽しかったです。自分たちスタッフもお客さんも一緒にワイワイやっていたので、モチベーションが下がることはなかったですね。
僕自身はセッターとしてコースづくりも担当しています。作った課題を「この課題、めちゃくちゃ面白かった」と褒められると、やっぱり嬉しいです。一手一手緻密に計算して作っているので、その意図が伝わったときはガッツポーズが出ますね。
今後のジムの展望をおしえてください

今はクライミングジム全体の流れとして、キッズ育成や大会で勝つためのスポーツクライミングに寄っていく傾向があるんです。
BUBUとしては、「競技のための場」というより、昔ながらの良さというか、コミュニティを大切にしながら、クライミングを長く楽しめる場所でありたいと思っています。年齢やレベルを問わず、それぞれが「ちょうど良い楽しさ」を見つけられる場ですね。
来てくれるお客さんにも、レベルやグレードを追いかけすぎて苦しくなるのではなくて、自分に合ったペースで、健康づくりや仲間づくりのひとつとして、長く楽しんでもらえたらと思っています。競うスポーツというよりは、「長く楽しむスポーツ」として続けてもらえると嬉しです。
最後に、読者の方へメッセージをお願いします
最初の頃は筋肉痛にはなりますが、 誰でもできる簡単なコースからあって、 どんな方でも取り組んでいただける楽しいスポーツです。「女だから力ないし」とか「太ってて重いから」とかはありません。BUBUでは、一人ひとりが過ごしやすい環境づくりをモットーに、スタッフ一同日々お客様と向き合っています。おかげさまで、同じように思っていただける素敵な常連さん達ばかりです。岐阜という恵まれたクライミング環境にいるので、ぜひ、お気軽に遊びに来てください。お待ちしております。
お話を伺っているあいだ中、石井さんの「とにかくクライミングが好き」という気持ちがすごく伝わってきて、私自身も取材をしながらどんどん興味が湧いていきました。
取材後、「よかったら一度登ってみます?」と、明るい笑顔で声をかけていただいたのがとても印象的でした。実際に体験させていただいたのですが――予想以上にむずかしくて、正直びっくりしました。
技術や競技というより、“純粋にクライミングの楽しさを共有したい”という想いをまっすぐ感じられる場所です。「ちょっと興味あるかも」と感じていただけた方は、きっと一歩踏み出すだけで、想像以上に世界が広がると思います。ぜひ一度、足を運んでみてください。
\Climbing gym BUBU/
