「『大丈夫かな』とモヤモヤし続ける保護者さんを、これ以上ひとりにしたくなかったんです」
そう語るのは、「ことばと発達の相談支援室com」を運営する言語聴覚士・公認心理師の小田ともよさんである。
病院で小児のリハビリに長年携わってきた経験を生かし、乳児・幼児・学童期の子どもの発達について、初回相談・個別セッション・保護者相談の三本柱で支援している。
ことばと発達の相談支援室comでは、診断の有無にかかわらず、子どもの発達における日常の困りごとに対し、対面とオンラインの両方から「今、家庭でできること」を保護者とともに探っていく伴走型のサービスを提供する。
この記事では、小田さんがなぜ病院の外に「相談の場所」をつくろうと決めたのか、その背景と、「ことばと発達の相談支援室com」で実際にどのような支援が行われているのかを詳しく伺った。
基本情報はクリック!
お問い合わせの際は「つたギフ見ました」と言っていただけるとスムーズです。

| 名称 | ことばと発達の相談支援室com |
|---|---|
| 事業内容 | 子育て支援 |
| プロフィール | 小田ともよ(言語聴覚士・公認心理士・赤ちゃん発達アドバイザー・手話技能検定1級) |
| 所在地 | 長良川国際会議場から徒歩5分(駐車場1台) |
| 営業時間 | 9:00-12:00 13:00-17:00 |
| 休業日 | 土・日 |
| 電話番号 | 090-1685-6888 |
| com.kodomo9108@gmail.com | |
| https://www.instagram.com/kodomo_kotoba_st | |
| 予約サイト | https://book.squareup.com/appointments/u978xd8cjkpgyv/location/L2XH7W1ESXF0Z/services |
ことばと発達の相談支援室comのサービス内容を教えてください
教室の形で、乳児・幼児・学童期のお子さんの発達を支援する活動をしています。

提供しているサービスは、大きく3つあって、
- 初回相談:保護者さんの「困っている」にじっくり向き合う場
- 個別セッション:お子さんと関わりながら支援する時間
- 保護者相談:お家でのお子さんとの関わり方を一緒に考えるサポート
を行っています。
言葉の発達や学習のサポートだけでなく、感情面の課題や日常生活での困りごとについても、一緒に整理しながら進めています。
対面だけでなく、オンライン相談にも対応していて、お仕事などでお忙しい方でも気軽にご相談いただけるようにしています。
どんな人に来てほしいですか?
日々の生活の中で、お子さんに対して困りごとや不安を抱えていらっしゃる保護者のかたですね。

たとえば、
- 「ご飯食べようね」と伝えても、全然行動につながらない
- 発達に応じた言葉がなかなか出てこない
- 言っている発音が不明瞭で、聞き取りずらい
- 物を投げる・友達を噛む・手が出てしまうなどの行動が続いている
- 偏食が強くて、白いご飯しか食べない、硬いものが食べられない
など、誰かに相談しづらい“ちょっとした困りごと”です。
園の先生や親世代に聞くと「子どもなんてそんなもんだよ」と言われることでも、毎日続くと本当にしんどくなります。
こういった困りごとや不安を抱えて、健診で相談しても「もう少し様子を見ましょう」といわれ、結局置いてけぼりにされる保護者さんをたくさん見てきたんですね。

数は多くありませんが、
「1歳半から気になっていたのに3歳まで何もできなかった」
「何度相談しても『まだいいよ』と言われて、あとで後悔した」
そんなお話も実際にありました。
だからこそ、 診断がついていなくても、気軽に相談できて、「今」の困りごとや不安をサポートできる場所として『ことばと発達の相談支援室com』をご用意しました。
気になることは大きくても小さくても構いません。
「なんとなく不安」その段階で来ていただければ、一緒に整理して、お子さんやご家族の毎日をより良くすることができるはずです。
具体的にはどんなサービスをされているのでしょうか。
初回相談では、お母さんが今感じている困りごとを丁寧に伺っています。

今どんなことで困っているのか、生まれた時からの様子、園や学校での姿、お家で起きていることなどを丁寧に伺いながら、
「なぜその行動が起きているのか」
「どんな背景があるのか」
を一緒にひも解いていきます。
お話を伺う際は、保護者さんが日々の生活の中で、休みなく積み重ねてきた努力をしっかり受け止めるようにしています。
否定することなくお話を伺っていくと、安心していただけて、より深い背景が見えてくることが多いからです。
個別セッションでは、発音の練習や学習のつまずきのサポートなど、お子さん自身がステップアップしていきたい部分について、教室のような形で一対一で関わります。
発音や学習面については、オンラインでも対応できるところが多いので、継続してご利用いただきやすい環境が整っています。

もうひとつは保護者さんのお家での関わりのサポートですね。
「癇癪が強くてどう接したらいいかわからない」
「物を投げる、手が出るなどの行動が続いている」
「偏食が強い」
「伝えても伝わらない」
といった、日常の困りごとにどう対処していくと良いかを一緒に整理します。
たとえば、お子さんが理解しやすい言葉の長さや伝え方を一緒に考えたり、言葉だけでは難しい場合には写真カードや絵カードなど“目で見えるもの”を使う工夫 をお伝えしたりですね。

病院だと定期的に通うように言われることが多いんですが、ことばと発達の相談支援室comでは、保護者さんのペースに合わせるようにしています。
発音トレーニングなど、定期的に進めた方がいい場合のご提案はさせていただきますが、保護者さん自身がお子さんとのかかわりを作っていくことを大切にしているので、「必要だと思うタイミングで相談できる」形を大切にしています。
来てくださった方が「話してよかった」「次にどうしたらいいかが見えてきた」と、感じていただけるように、 “気持ちに寄り添うこと” と “その子に合った実践的な提案” の両方を大切にしています。
嬉しかったことを教えてください
お子さんの成長を共有できることはもちろん嬉しいですが、保護者さん自身が変化していくのがとても嬉しいです。

お母さん方から「なんでもはなしたくなる」「聞くとなんでも返してくれる」っていっていただけて。
始めは深刻な感じで相談がスタートするんですが、お付き合いが続いていくと、晴れやかな感じに変化していかれるので、やっていて良かったなと思いますね。
お子さんの変化でいうと、「こんな姿、他では見られなくて」と保護者さんが驚きながら喜ばれることがあるんです。
お子さんも保護者の方も活き活きと変化されるのは、本当に励みになります。
聴覚障害の方への支援もされていると伺いました
小さい頃から手話に興味があり、中学・高校、大学と、手話サークルやろうの方との関わりを通して手話を身に着けました。

日常会話レベルの手話ができ、ろう学校でも言語聴覚士として関わらせていただいています。
そのため、保護者さんが聴覚障害をお持ちの場合や、お子さん自身が耳が聞こえにくい場合でも、手話で直接コミュニケーションを取りながら支援ができます。
筆記やオンラインのチャットを使ったやり取りは、どうしても一手間かかってしまいますからね。
手話で話ができると、お互いにとって楽ですし、「本当に伝えたいこと」を省略せずに話し合える、と喜んでいただいています。
読者の方へメッセージをお願いします。
もし今、「どうしよう…」とモヤモヤした気持ちを抱えたまま、毎日を過ごしているとしたら。
その時間は、お母さん・お父さんにとっても、お子さんにとっても、とても苦しい時間だと思います。
「病院に行くほどじゃないのかもしれない」
「こんなことで相談していいのかな」
と迷っている方こそ、ぜひ一度お話を聞かせてください。
「じゃあ、今お家でできそうなことは何だろう?」と考えていく。
この積み重ねが、お子さんの成長にも、お母さん・お父さんの安心にもつながっていくと信じています
楽しく前向きに子育てができるように、次の一歩を一緒に考えていけたら嬉しいです。
