「本気で言えば、アスパラは“収穫して30分以内”に食べてほしい」
アスパラの美味しい食べ方を聞くと、楽しそうにこう語るのは、岐阜県飛騨市で農業を営む水村農園の水村さんだ。
水村農園は、標高2,000〜3,000m級の山々に囲まれ、山から湧き出す清水と栄養豊富な土の自然条件を生かし、アスパラガスと白ネギを中心に、タラの芽やトウモロコシなど多様な作物を育てている農家である。
収穫した野菜は、市場を通じて全国へ流通するほか、ふるさと納税やネット販売を通じて直接家庭へ届けられている。
ネギを購入するために片道一時間かけて通う店主もいるという、水村農園のこだわりの栽培方法から、食べ方、畑に訪れる人々、そして未来に向けた展望までを紹介していく。
基本情報はクリック!
お問い合わせの際は「つたギフ見ました」と言っていただけるとスムーズです。
| 名称 | 水野農園 |
|---|---|
| 事業内容 | 農業 |
| インターネット販売 | ポケットマルシェ https://poke-m.com/producers/437949 |
| 水村農園の野菜tv | https://www.youtube.com/@mizumura-nouen |
| 公式Instagram | https://www.instagram.com/mizunou_a |
水村農園では何を栽培していますか?
アスパラガスと白ネギ、 サブでタラの芽やトウモロコシ、ニンニクなども少しずつ育てています。

ちょっと不便な場所なんですが、山から湧き出るきれいな水と、昔の土砂崩れで出てきた栄養豊富な土が美味しい野菜を作るには欠かせないんです。
収穫した野菜は市の市場から全国のスーパーへ流れていくほか、ふるさと納税の返礼品、ネット販売を使って直接お客さんへ届けています。
水村農園のアスパラガスが、ふるさと納税返礼品で全国3位(※)になったそうですね
「普段は買わないような、ちょっと特別なものを頼みたい」という方にご購入いただき、レビューでも高い評価をいただいています。

うちのアスパラは「収穫してすぐ出す」ことに、すごくこだわってるんです。
アスパラは本当に足が速い野菜で、スーパーで水につけて販売しているのを見ると思うんですが、あれは飛んで行った水分を戻す為なんです。
切り口からどんどん水分が蒸発してしまうので、とにかく「収穫から常温に置かない」ことが大事。
水村農園では、収穫したらすぐに2℃の冷蔵庫に入れて“休眠状態”にして、市場やお客様の元へ送ります。
冷蔵庫を用意している農家さんって僕の周りには居なくて、同じアスパラでも、この温度管理のおかげで食感や甘みがまったく違ってくるんです。
※ 2025年8月ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」の「アスパラ・ナス部門」
「こだわりのネギ」を栽培されていると伺いました。
「うちの畑ならこのネギが一番おいしい」と、胸を張って言えるネギをお客様に届けたいんですよね。

だから、この地方で主に栽培されるブランドとしての“飛騨ねぎ”にこだわっていません。
ネギは一年ごとに収穫できる野菜で、毎年トライアンドエラーを重ねながら、本当に良いものを自分で確かめて選べるところが面白い。
毎年新しい品種を入れて、暑さに強いもの、病気に強いものなど、うちの土地や水に合う品種を探しながら、レギュラーで4種類ほどに絞りつつ栽培を続けています。
また、アスパラと同じようにネギも、土から抜いてから出荷までの時間をできるだけ短くしています。
出荷直前まで土がついた状態で、日の当たらない涼しい場所に立てておきます。出荷のタイミングで一気に皮をむき、スーパーに並んでいる状態にしています。
以前「飛騨地方で飛騨ネギをやっていなくて、しかも美味しい」という情報を聞きつけて、ネギの一大産地である、関東の種苗メーカーさんが畑をわざわざ見に来たことがありました。
そのとき、プロの視点で「今年観た中で、いちばんきれいなネギ畑ですね」と、言っていただいて「今まで努力してきたことは間違ってなかった」という、自信に繋がっています。
アスパラとネギの水村農園流の食べ方を教えてください
本気を言えば、アスパラは収穫して「30分以内」に食べてほしい。

採れたてのアスパラは水風船をかじったみたいに、かじった瞬間パンっと口の中で水がはじけて、甘味が広がるんですよ。
でも、採れたてを食べていただく機会は中々ないので、今日は飛騨流の楽しみ方をご家庭で味わう方法をお伝えしたいと思います。
アスパラは、なんといっても豚肉と相性が良くて。
地元のジビエ料理店さんと一緒に、猪ベーコンとアスパラを合わせた「アスパラベーコン」を作ったんですが、すごくおいしい一皿になりました。
ご家庭では、豚バラや豚肩ロースを巻いて、そのまま焼いてもらうのがおすすめです。

ネギは「薬味」として、料理では脇役扱いされがちですが、うちのネギは、いい意味で“主役級”を目指しています。
水村農園で一番よく作るのは「ネギ味噌」。刻んだネギに、ニンニク、味噌、みりんを合わせて炒めるだけ。あえて鰹節などは入れず、ネギそのものの香りと甘さをしっかり出すレシピにしています。
ほかにも、飛騨のジビエ料理店では、うちのネギを猪ベーコンで巻いた串焼きがレギュラーで置いてあります。
少し獣っぽいにおいをネギがうまく消してくれる“ジビエ初心者向けメニュー”として人気です。
僕は味噌汁やかぼちゃの煮物など、なんにでもたっぷり刻んでかけて食べることが多いですね。
「ネギがないと物足りない」と思ってもらえたら、主役確定です(笑)。
畑までわざわざ買付に来る飲食店があると伺いましたが?
車で片道1時間かけてネギを買いに来てくださる蕎麦屋さんがいらっしゃいます。

他には、隣の神岡町から毎週2回、片道40分かけて、うちのネギを買いに来てくださるラーメン屋さんもいらっしゃいますね。
皆さんおもしろいのが、口コミを聞いて来ていただいていて、僕とは全く面識がないところです。
ある日突然「ネギください」といらっしゃる。
ネギって、どう考えてもメインの食材ではないのに、その“サブキャラ”のために時間を使って来ていただけるのは、本当にありがたいし、驚きでもあります。
プロの料理人さんの中で「うちのネギがおいしい」と、口コミが広がっているのは嬉しいですね。
水村農園のアスパラやネギはどこで購入できますか?
ふるさと納税の返礼品と「ポケットマルシェ」というサイトでネット販売をしています。

「食べてみたいな」と思っていただけたら、
- 「飛騨市 水村農園 ふるさと納税」で検索していただくと、
さとふる、楽天ふるさと納税、ふるさとチョイスなど、いくつかのモールに掲載されています。 - ネット販売は、ポケットマルシェからのご注文がいちばん分かりやすいと思います。
今後の水村農園の展望をお聞かせください
いい畑を引き継ぎ、無理なく広げていきたいですね。

周りの農家さんたちは、ご高齢の方も多く、耕作放棄地が増えていくエリアです。
実は、僕たちが使っている畑の多くも、もともとは耕作放棄されていた土地なんです。
やっているうちに、「うちの畑も使ってよ」と声をかけてもらえるようになり、畑を増やしすぎた反省があります。
ここは山あいなので、どうしても日当たりや土の関係で農業に向かない場所が出てきてしまうんです。
今後は、「いい畑を、きちんと続けていく」方向にシフトして、日当たりや水はけなどをみながら、畑をご高齢の方から引き継ぎたいですね。
ネギとアスパラを軸に、タラの芽や黒にんにくなどサブの野菜も増やして、飛騨の野菜を全国の人に知っていただきたいと考えています。
読者へのメッセージをお願いします。

インスタグラムとYouTubeでは、畑の様子や日々の作業風景などを発信しています。
「どんな場所で、どんな人が作っているのか」を、ぜひ覗きにきてください。
また、僕は昔テレビ番組でやっていた村づくりにあこがれていて、あの番組の村長さんが水村農園で活動している様子もアップしています(笑)

水跳ねるアスパラと、香り立つ白ネギ。
飛騨の山あいから、あなたの食卓に、ちょっとした驚きと楽しさを届けられたらうれしいです。
